人気ブログランキング | 話題のタグを見る

蜷川幸雄演出『三人姉妹』

先日NHKBS2にて2000年に上演されたA・チェーホフ作、蜷川幸雄演出の『三人姉妹』の再放送を観た。

モスクワから遠く離れた田舎町で暮らす三人姉妹。退屈な日常に飽きモスクワへと帰る日を夢見ながら暮らしている。
三人姉妹それぞれが不幸にさいなまれ悩みつつ、人生に立ち向かおうとする様を描いた舞台。

キャスト
原田 美枝子(マーシャ、次女)
村井 国夫(ヴェルシーニン、陸軍中佐)
荻野目 慶子(ナターシャ、アンドレーの許婚・妻)

菅生 隆之(アンドレー、長男)
原 康義(クルイギン、マーシャの夫)
川本 絢子(イリーナ、三女)
高橋 洋(トゥーゼンバッハ男爵、陸軍中尉)
妹尾 正文(チェブトゥイキン、軍医)
大川 浩樹(ソリョーヌイ、陸軍二等大尉)
清家 栄一(フェドーチク、陸軍少尉)
出口 馬木也(ローデ、陸軍少尉)
中島 陽子(小間使い)
井上 顕(将校)
垂澤 和成(将校)
杉山 恵(楽士)
西垣 恵(楽士)

市川 夏江(アンフィーサ、一家のばあや)
林 昭夫(フェラポント、県庁の老守衛)

松本 典子(オーリガ、長女)


三方向を観客席に囲まれ奥行きがあり必要最低限のモノ以外は排除された空間。

このお芝居はまず出演する役者さん達が素晴らしい。特に原田美枝子さん。
一歩引いたところから見つめる彼女のぼんやりと哀しい眼差しによって舞台の奥行きが深まっていると思う。それに単純に美しいということも素晴らしい。

そしてこの作品で蜷川幸雄さんはボーダーラインのようなものを意識して作っているように感じた。
それは観客と舞台、社会性と個人との関係、男性と女性、帝政ロシアの社会構造と革命後の社会構造、あるいは戯曲が書かれた当時と現代。
とにかくそのボーダーラインを徹底的に意識して舞台空間に表現していたのではないだろうか。
時にそのボーダーラインはレースのカーテンやついたてのような具体的存在として、あるいは何もないからっぽな空間、そして三人姉妹の誰かといった様々なカタチをとって舞台を観る僕にその存在を突きつけてくる。
そしてそんなボーダーラインを突き抜けようとする力強さを感じさせられる素晴らしい作品だったと思う。


本日の1曲:
『Like A Rolling Stone』
(Sara K.『Closer Than They Appear』←CD)

Sara K. Web Site
Commented by stepbros at 2004-09-23 08:10
今日はうまくまとまんねぇな。。。
・・・いつものことっちゃいつものことなんだけどさ。
Commented by parisaosis at 2004-09-24 12:47
あぁ、原田さんといえば、まだ「愛を乞う人」まだ見てないや・・・。
Commented by stepbros at 2004-09-24 14:56
>parisaosis
あー『愛を乞う人』って僕も観てねぇや。
観たいけど時間がないな。。。
by stepbros | 2004-09-23 08:05 | 鑑賞備忘録 | Comments(3)

書き散らかしの聴き散らかし


by stepbros