蜷川幸雄演出『オイディプス王』
2004年 06月 22日
→『オイディプス王』公式サイト
幕が上がり群衆が舞いのような祈りのような、苦痛の表現のような、そんな動作を繰り返す。
血のような赤と黒の衣装が綺麗。
そして野村萬斎演ずるオイディプス王が登場。
真っ白い衣装が鮮烈な印象を与える。
まるで人々を苦悩から救う神のように見える。
しかしこれから始まるのは二千年以上上演され続けたオイディプス王にまつわる悲劇。
民衆と王との対比を縦軸にオイディプスとその側近達を横軸に舞台は展開する。
シーンとシーンとのつなぎには群衆が舞い、音を奏で、叫ぶ。
東儀秀樹の音楽がじわりと観客を悲劇へと誘う。
王妃イオカステ役の麻美れいが真っ白なドレスで登場。
舞台に突き刺さるような華やかさ。
しかし彼女の登場によりオイディプスは破滅への歩みを加速する。
オイディプスとその家族達の破滅の瞬間、舞台は白く明るく強く照らし出され、
劇中明らかになった数々の真実の衝撃と重なる。
役者達の磨かれた演技と直球ともいえる演出が僕には大変心地良かった。
本日の1曲:
『Help Me Somebody』
(Brian Eno & David Byrne『My Life in the Bush of Ghosts』←CD)
→Brian Eno Web Site
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