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お祖母ちゃん

久しぶりに母方のお祖父ちゃんのお墓参りとお祖母ちゃんのところへお見舞いに行ってきた。
母が生まれ育った家の近くにあるお祖父ちゃんのお墓からお祖母ちゃんのいる老人介護施設まで車で15分程、その間ずっとおかんの子どもの頃の思い出話を聞きながら、その話に笑いながら、その話につっこみを入れながらのドライブ。

青々とした山の中をクネクネとした道に導かれ老人介護施設に到着。

認知症(最近は高齢者介護において痴呆のことをこんな言い方をするらしい)がだいぶ進んできたお祖母ちゃん。
最近はおかんが会いに行っても誰だか判らないことがよくあるらしいし、こないだは病室に飾ってあるお花を食べちゃったらしい。
おかんはこういうことをカラカラと笑いながらアッケラカンと僕に喋るのだけど、しばらく喋っていると「まさか自分の親がねぇ・・・。」なんてことを言って記憶の中の自分の母親をじっと見つめているような顔で黙り込み、またしばらくするとカラカラと笑いながら認知症の話をする。

僕ら家族が到着した時はちょうど昼食が始まろうかという、テーブルに施設入所者が席に着き配膳を待ってるところ。
おかんが「祖母ちゃん、来たよ。」とお祖母ちゃんに声を掛けるとビックリして振り返る。
「まあ、○○さん(僕の子どもの頃からの呼び名)!」
「祖母ちゃん、来たよ。」
と僕が答えると、
「○○さん久しぶりによう来てくれたねえ。ビックリしたよ。」
とハッキリとした口調で答えるお祖母ちゃん、僕こそビックリして涙が出そうになった。
おかんもビックリしてる顔、お祖母ちゃんに話しかける。
「私が誰だか判る?」
「●●(おかんの名前)じゃぁね。」
「じゃあこの人は?」
おかんがお祖母ちゃんに、おとん、僕の奥さんと順番に指さして聞いてみるとちゃんと答えが返ってくる。家族みんなと近くにいた施設の職員さんとでビックリ。

「せっかくなんでお祖母ちゃんの食事をお部屋に運びますからご家族ですごして下さい。」
と施設職員の方のご厚意で昼ご飯を食べるお祖母ちゃんを囲んでお喋り。
だけどしばらくするとだんだんお祖母ちゃんの記憶や認識があやふやに。
そして認知症特有の行動をずっと見続けているうちに僕ら家族の言葉数が少なくなってしまう。
その中で黙々と子どものような食べ方でご飯を平らげるお祖母ちゃん。
膝の上や床には食べかすがポロポロと落ちている。

お祖母ちゃんがご飯を食べ終わり、おかんと僕がまた話しかける。
記憶がハッキリしたり、あやふやになったり、古い記憶が突然蘇ったりを繰り返すお祖母ちゃん。
「そろそろ」ということで僕が「今日はもう帰るね。」とお祖母ちゃんに話しかけると「また来てぇね。」との答え。

「また来てぇね。」
「うん、また来るからね、元気にしといてよ。」
「早いうちに来てぇね。」
「うんそうするからね。」
「早いうちに来んと、私の命がなくなるから、○○さんは早く会いに来るんよ。」

認知症の範囲内での言葉なのか、それとも意識や記憶の回路が繋がった上での言葉なのか。
何の判断も出来ずに当たり障りのない言葉をお祖母ちゃんに返した。

その後いろんなことが頭に浮かんだけど、それを言葉にできない。


本日の1曲:
『旅人』
(The Blue Hearts『Stick Out』←CD)

The Blue Hearts Web Site
Commented at 2005-08-16 17:09
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by stepbros at 2005-08-16 17:23
>鍵さま
うんうん、そうだね。
でもさ実際問題としてしんどいし辛く思うのは仕方がないと思うよ。
逆にさ、おばあちゃんに「ぼけちゃダメじゃん」って言ってみるってのはどお?
ちょっとは楽になるかもよ。
Commented at 2005-08-16 22:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by stepbros at 2005-08-17 00:05
>鍵さま
楽になったと言われるとすごく嬉しいよ。
お互い似たような立場だからさ、これからも何かあれば連絡しといでよ。
きっと僕もいろいろ助かるだろうしね。
よろしくね。
by stepbros | 2005-08-16 01:41 | 書き散らかし | Comments(4)

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